21gのとしょかん

ながいながい遺書

Space, the final frontier.

住宅街の公園でも、零時を過ぎればオリオン座が見える。肉眼で見える8000個強のまたたきそれぞれには138億年の歴史が存在し、その過程で幾つかの惑星とさらにそれらを中心に公転する月とを手に入れている。

確率的に考えれば、これらの惑星の幾つかには生物が存在している。その生物たちもまた生命体である以上、地球におけるそれと酷似した「進化」の系譜をたどりて林檎に齧り付いたかもしれない。楽園を追放されれば文明は栄え、増加するpopulationとそれを支えるだけの技術が生まれる。そんな異星の技術の中にはきわめて麻薬に近い依存性物質の量産があるだろうし、そんな文明にはきっとどこかしら欠陥があるのだろうから、苛立ちながら嗜好品を咥えて星座をなぞる生命体も数えきれぬほど生まれているのだろう。

肉眼で見える8000個強の太陽系。そのどこかには今この瞬間にもSternenzeltを眺める生命体がいるのだろう。煙草の相似体に火をつけたやつもいるだろう。そして、確率的には、その煙をあたしと同じくあの星へ飛ばした仲間もいるのだろう。ため息をつくように。