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ながいながい遺書

トイレの水【eau de toilette】ってなんだよ、と思ったので調べた

(広義の)香水の一種に「オード・ト・ワレ」というのがある。詳しい説明はWikipediaにでもまかせるとして、簡単に言えば溶媒となるアルコールに対する香料成分の度合で香水を分類したときの一つ。オー・ド・トワレ。Eau de Toilette。訳すと「トイレの水」?確かにスカトールが香水の成分としてよく使われるのは知ってるけど。。。?と、前から不思議に思っていたので調べた。

 

Eauは確かに「水」の意味(eau - Collins French-English Dictionary)Toiletteは「トイレ」ではなく「身だしなみを整えること」(この場合は英語で言うgroomingが近そう)のことらしい。逆にいわゆる「トイレ」はフランス語だとles toilettesと複数形になるっぽい(toilette - Collins French-English Dictionary)。ということでオー・ド・トワレは「身だしなみにつかう水」とか「化粧水」といった訳が近いのだろうか。いわゆる「トイレの水」ならeau des toilettesなのかな?(←フランス語前に勉強しかけてあきらめた人並感)と、ここまで書いてほぼ全く同じ内容のブログがあった。なんだ、日本語で最初からしらべればよかった。ただ、toiletteはフランス語でも「トワレット」と似た[twalɛt]なところとか、少し記述に納得しないところはある。

www.fragrance.co.jp

 

いわゆる「トイレ」という意味でtoilet(英語)が使われるようになるまでの歴史も面白かったので、ちょっとここにまとめながら訳してみる。いくつか説があるみたいだけど。

Toileの派生語として、元々は「布」という意味から、化粧台の上に敷く布、そして化粧品へと変化。1680年代から身だしなみ、特に髪を調えること、1819年にお手洗付の着替部屋、そして1895年にアメリカで「便所」の隠語に。

toilet | Origin and meaning of toilet by Online Etymology Dictionary

同サイトだと、eau de toiletteが使われるようになったのは1907年、 eau de Cologneのが作られたのは1709年頃と先っぽい。Cologneという単語も、colony(植民地)と語源が一緒っぽい。みんな大好きカリギュラとネロの間にローマを統治したクラウディウス帝王がCE50年に、妻・小アグリッピナのために彼女の生地であるこの地域を植民地化したので、Colonia Agrippina (Colonia Claudia Ara Agrippinensium; アグリッピナの神殿があるクラウディウスの植民地?ラテン語はよくわからん)。450年までにそれが縮まってColoniaと呼ばれるようになったらしい。(一部wikipedia参照; Colonia Claudia Ara Agrippinensium)。ひょえー。

トイレの隠語について、自分がNZにすんでたときはtoiletという単語はたぶん使ったことない。これはみんなが言ってるとおり、toiletは結構「便所」感があるので。日常的にはlooとか、レストランとかならrestroom言うてた気がする。Bathroomアメリカ英語だから通じないって説を言う人は今でもたまに見るけど、自分たちは普通に使ってた。Lavatoryとかは口にしたことはないけど文章ではよく見たな、そういえば前にlaboratory(研究室)を*lavoratoryと書いてるところがあって、「佐藤便所」かあ、と笑った覚えがある。

Looについて少し。由来はいくつか説があるらしくて、What is the origin of the word ‘loo’? | Oxford Dictionariesによれば、窓から汚物投げ捨ててた時代のregardez l'eau(「水に気をつけて!」) から、le lieu(「あの場所」)から、Waterlooという便器メーカーの名前から、とか。l'eauに戻って円環の理が満たされた云々。looは完全な英国英語だから、アメリカで使われてる例はあまり見たことない。あと、実際の「行為」の隠語についてはリンク先でも見てくれ、9割聞いたこと無いけど、面白いリストだと思った→Appendix:English toilet slang - Wiktionary

 

調べているうちにもう一つ気になったことがある。オー・デ・コロン(Eau de Cologne)。Eau de Toiletteはオー・「ド」・トワレなのに、なんでオー・「デ」・コロンになるんだろ。これも発音でいろいろ調べたけど、ただの表記揺らぎな可能性が大きい気がした。めっちゃ気になる。一応フランス人が発音してる音声も調べたので下に貼るけど、両方ともeau de部分は一緒の発音に聞こえる。英語版Wikipediaに書いてる発音記号も [o d(ə)]と一緒だった。Cologneはあの大聖堂のあるケルンのこと。ちなみにEau de *Colonって書くスペルミス定番ネタがあるんだけど、これだと「大腸の水」。まーた下ネタ。こういう排泄物系下ネタは英語でtoilet humourというのだけど、記事のテーマに合ってるし、まあいいか。

Prononciation de Eau de Cologne - Forvo 

Prononciation de eau de toilette - Frovo

 

おわり。前から気になっていたから、調べれて良かったーの気持ち。