21gのとしょかん

ながいながい遺書

知能実験

ぼんやりと天井を眺めているうちに、ふと思い出した話。

 

立方体型の檻がある。その檻は金網からできており、「壁」を通り抜けることはできないが、中からは外は十分に見える。檻の外には餌があり、またこれと反対側の「壁」には大きな穴が開いている。

こんな檻の中に被検体を入れる。知能が低いニワトリなどの場合、永遠に餌に向かって嘴を伸ばし続け、やがて餓死する。知能がある程度高い場合はすぐに背後の「出口」に気づいて抜けだし、「褒美」を手に入れる。こうやって餌を得られるか否かを確認することで、その生物の知能を測ることが出来る。

昔読んだ話だし、今思えばこれが本当に成り立つ実験なのか、そもそも何かのたとえ話にすぎなかったのか、よく覚えていない。

 

もう一つ思い出した話。

昔インドの田舎にある少年が住んでいた。その少年は幼き頃から天才であると村で評判であった。本人もまた自身の才能に気づいており、傲慢な少年は自分以外の人間のなすことを馬鹿にしていた。

少年はその才能を活かし、一人黙々と研究をつづけた。十年が経ち、二十年が経つ。村の人々は幾度も中央の大学へ行くことを勧めたが、そのたびに青年となった少年は笑い飛ばした。三十年が経ち、五十年が経つ。そして死の直前に、その全人生の集大成たる一つの数学的定理をノートに残して、老人は死亡した。それがすでに100年以上前に発見されている、有名な定理であることも知らずに。

 

なにか「言いたいこと」があったのかもしれないけれど、書いているうちに忘れた。正確には考えたくないだけかもしれない。そうこうしているうちに今日も夜に追いつかれた。