21gのとしょかん

ながいながい遺書

XXXXまで二ヶ月切った最近の生活

ふと玄関をみると先日ケーキを持ってきた父が置忘れたサンダルがあった。返さなきゃなあと思いながら扉を開け、その先にある階段を降りながら目的もなくスーパーへ行こうと考えるが、エントランスホールについた途端、警報が鳴った。そうだった、自分は予備校の寮にいるんだった。門限を過ぎると、外に出れないんだった。

 

そんな夢からを目を覚す。開けっ放しのカーテンからのぞく黒い空と、アパートの前の街灯から差込んでくる青白い光。昨日買ったピザの匂いが部屋中に漂っている。のどが渇いていているのは、エアコンを消し忘れていたのかもしれない。枕元においていたコップから水道水を一気に飲干す。数年前アメリカへ交換留学したときにもらったその黄色いコップは表面に書かれているファストフード店の名前をかすれさせながらも、600mLも入るという理由ただそれだけで愛用されている。へにゃへにゃとしたプラスチックを手でたわませて遊びながら近くに転がっているはずの携帯を探す。午前四時半。二度寝をしようか考えながらぼんやりとChromeを開く。

買いに行く気のない、しかし数年前から買いかえることを悩んでいるPCパーツを、不必要なほどに検索する。当然一日もたたぬ間に調べた内容などすべて忘れているのだろうと知りつつも、リンクをたどり続けるうちに午前六時を回った。外から漏れ入る光は群青で、それに焦燥感のようなものを覚えながらスマホを天井へ放り上げる。青い通知ランプを点滅させながら、携帯は緩やかに回転しつつ微かに残る夜へと消え、そして再び現れると、「もふ」と音をあげて分厚い布団に埋れた。決して行かぬだろう散歩へ行こうかと考えながらそれを再度拾う。

別にSNSを面白いと思っているわけではないし、正直あんなものに時間を使いたくない。そう思いながらタイムラインを遡る。最近は疎遠になりつつある高校時代の親友の一人が、昨夜寝る前に書いたツイートをふぁぼってくれたのに内心喜んだりしてみる。ふぁぼってくれた投稿の一つに、昨日貼った記事へのリンクがあったのでそれをたどる。読み直しているうちに手を加えたくなったので、机まで移動しノートPCをつける。充電ケーブルを挿そうと延長コードを探す。XXXXのために取寄せたパンフレットが入った封筒が未開封のまま挿入口を隠していたので、必要以上に大きな動作で払いのける。机に戻ってPCを見ると、ログイン画面が八時であると言っていた。

書直しが終れば十一時半。Amazonのリンク貼ったし、数円でも入ったらうれしいな、なんて思いながら、本当に入ると思っているわけではない。生活に必要なのはXXをXXしたというただそれだけで、そしてそのためにはXXXXをしなければいけないのは知ってる。だからそのためのXXをいい加減しろ、余裕無いのはわかってるでしょ?わかってるけれど、記事読直してたらまた誤字を見つけちゃった、なおさなきゃ。

ぱたり、とノートパソコンを閉じる。シャワーを浴びよう、いや、その前にコーヒーを飲もうか。XXXXのために買ったXXXを踏みながら部屋を縦断すると、先ほど放置した携帯が落ちている。電池あるか確認しとこ、とそのままツイッターを開く。しばらくして「電池残量が5%です。充電してください」と警告が出た。ケーブルを探すのも面倒なので、そばに落ちてるiPadへ持ちかえてツイッターを開く。あと三〇分したら辞めよう。

そんなことを思っているうちに十五時をまわった。あと二時間半程度で今日は日が沈む。焦りながら、今日何をしたのか考え始める。XXは?しないの?そうだ、日記を書こう。せめて今日が存在したと記録しなきゃ。そうやって書き始めた記事がこれ。

S'Zon家流ラクタジーノ片手に休憩代りのたばこを吸いながら、昨夜見た夢について考える。現実の寮にも防犯アラームなんかあったっけ。いや、たしか門が閉って出入りできなくなるだけだったよね?そういえば、よくゴミステーションの上を渡って逃出したよね。ミウラたちと梅田へ遊びに行ったけ。財布だけ持って東京行ったこともあったよな。あの頃も大半何もせずに過していたっけ。あのときもXXXX前だったっけ。一日中どうでもいいこと調べたりして日が沈むのを待って、そして日が沈んだら無意味に過ぎた日を思って泣いたりしたっけ。今と同じじゃん、五年前と変らないじゃん。五年間、何もせずにすぎたんじゃん。XXXXがXXXXXXXXXだというのはXXだけど、XXXXだってわかってるのにXXXがXXXXXになるわけじゃないでしょ?XXXXたすけてよ。XXXXだってXXXXXじゃん、XXXXXXなのに。XXXXXXXの?XXXX。XXXXX、XXXX、XXXXXX。XXXXXXX、XXXXXXXXX。XXX。

窓の向こうのアパートに、西日が当ってまぶしい。それを眺めながら、昨日買ったピザを三きれ、フライパンで焼いて食べる。視界のすみにXXXがある。ピザに唐辛子ソースをかけて痛みに逃れた。そうだ、訳した『ダゴン』は明日公開のつもりだった、最後にみなおしとこ。ついでに前に書いたラクタジーノの記事、英訳してみよっかな。

そして、気づけば二十二時だった。

今日したのは、本当にこれだけ。省いたのは数本のたばこ程度。本当にそれだけなんだ。文字化したらそれが見えた。だから明日から頑張ろう、明日はちゃんとXXXXのためにXXをしよう。昨日と同じような決意をしながら、横になる。横になりながら、携帯を探して、この最後の数行を書いている。書くことで、今日を正当化される、そんな気がして。今日と同じ明日も、そうやって正当化されるような気がして。XXXXまであと50日少し。それを考えるたび、少しづつXが世界を覆っていく。

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