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ながいながい遺書

「ラクタジーノ」の再現レシピを考える

SFドラマ『スタートレック』シリーズに「ラクタジーノ(raktajino)」という飲み物が登場する。クリンゴン帝国より伝わったコーヒーとされるラクタジーノ、シリーズ三作目『スタートレックDS9』ではこれを飲む登場人物たちの姿が頻繁に描写される。

コーヒーが好きなのだけれども、久しぶりにインスタントを買ったらあまりに美味しくなかったので、最近スパイスを入れたりして遊んでる。そのまま勢い余って、このクリンゴンコーヒーもどきを再現してみようかと思った次第。クリンゴン知らない人は、なんかスパルタ人みたいな宇宙人だと思ってくれればいいです(怒られるやつだ、jItlhIj...)。スタトレ興味ない人も、コーヒーレシピとしてみてもらえたら!

 

情報集め

作中の情報

まず、ドラマ内でのラクタジーノみんな大好きMemory Alpha参考に箇条書きにしてみます。あらかじめ言うけど、英語のリンク多くてごめんね。日本語だと情報全然無いので。

  • 三角フラスコみたいな口のすぼんだマグで飲むことが多い
  • アイスでもホットでも飲む
  • デカフェ云々という話から、カフェインが入ってる
  • Daxたちの"extra sweet"という表現より元から甘みのある可能性
  • Daxたちの"extra cream"より元から乳製品が入ってる可能性
  • Jacarine peelやicoberryタルトと合う
  • Makapa breadをつけるとミント味の泡が出る

ジャカリンがなにかはわからないけど柑橘系果物に似たものだと予想、現代地球でもエスプレッソロマーノっていう飲みかたがあるし。アイコベリーもまあブルーベリーみたいなもんじゃないのかな。パンつけたらミントの味が出るのはマカパの影響と言うことで無視。再現できないしね。

非公式ラクタジーノの歴史

Redditでみつけたgloubenterderによるリプに基づけばラクタジーノの歴史は下記の様であるとKlingon for the Galactic Traveler (by Marc Okrand)に書いてあるらしい(元の投稿をまとめました)。以降この描写を準"canon"と見なして考えていきます。

惑星連邦よりコーヒーを知ったクリンゴン人たちは「カフェイン」という単語よりqa'vInとこれを呼称し、自家栽培を始めた。彼らはqa'vInに酒を入れたra'taj をつくるようになったが、これは他の宇宙人たちの間でも人気となった。輸出もされるようになったが、輸出版ra'tajはノンアルコールで、濃い目にいれたコーヒーにナッツ風の味付けをしたものである。ra'tajはraktaj[ラクタージ]として連邦内でも流行し、派生品も多くつくられた。特に人気のあった派生品の一つがraktajino[ラクタジーノ]である。

先行レシピ

実はraktajinoの再現レシピはすでに何個もあるんだけど、Klah VersionとHouse of Kasara Blendっていうのが有名っぽい。ついでに現在"raktajino recipe"でGoogle一位の the_eradicatorによるレシピも紹介します。最初の二つのレシピはかなりの量ができるので一杯分に変換した量も併記。「1カップ」は多分アメリカ式の240ccでいいんだと思う。シナモン一振り0.1ccらしいので各種スパイスそれに合わせました。

Klah Version

Klahはアン・マキャフリイによる『パーンの竜騎士』という小説シリーズに登場する飲み物らしい。このレシピは、その公式ガイドブックThe Dragonlover's Guide To Pernに基づくKlahの再現レシピを誰かがraktajinoに流用したものらしい。読み方は「クラハ」とか「クラー」とかなのかな。Klahがクリンゴン人の名前っぽすぎて、別作品のものだとわかるまでめっちゃ時間かかった。

  • 粉砕した甘いチョコレート...大匙2(小匙1/2)
  • ダークココア...1/2カップ(小匙2)
  • シナモン...小匙3/8(二振り)
  • 粉砕したインスタントコーヒー...小匙1(小匙1/10)
  • ナツメグ...ひとつまみ(微量)

以上を混ぜ合わせ、小匙3を3/4カップのお湯で溶く。

Klah - Pern Wiki(FANDOM) より翻訳。量は「レシピ記載量」(「一杯分変換量」)として表記しました。元レシピで10杯分半弱できるはず。

House of Kasara Blend

このレシピの初出がどこかはわからないんだけど、ここによればクリンゴン帝国広報部隊(KIDC)Kasara家Ka'Diin Kasaraによるものらしい。KIDC内で"raktajino"を検索すると、すでに消えてるフォーラムがヒットした。アーカイブが見つからなくて読めなかったけど、もしかしたらそこが初出なのかもしれない。このバージョンをつくってる(若干間違えてる?)日本語ブログがあったので、ついでに紹介→スタートレックに出てくるコーヒー「ラクタジーノ」を妻と作ってみた – Medium

  • 非乳製品のクリープ...1 1/2カップ(小匙1 1/4)
  • 砂糖...1カップ(小匙1)
  • 無糖ココア...1/2カップ(小匙1/2)
  • インスタントコーヒー...大匙6(小匙1/強)
  • オールスパイス...小匙1/2(少なめ一振り)
  • 粉シナモン......小匙1/2(少なめ一振り)

以上を混ぜ合わせ、小匙3を3/4カップのお湯で溶く。なお、貧弱な地球人はインスタントコーヒーを半量の大匙3杯で。

Non-Alcoholic Drinks - K'Tesh's Klingon Recipe Pagesより翻訳。量は「レシピ記載量」(「一杯分変換量」)として表記しました。元レシピで54杯分できるはず。翻訳元によれば14杯分できるらしいけれど、どう考えても計算が合わないのは気のせい?レシピ通りなら14杯*小匙3=210ccで合計1カップ未満のラクタジーノの素ができるはずなんだけど、粉ミルク量だけですでに超えてるやんね。。?

the_eradicator Version

現在"raktajino recipe"で検索すると、一番に出てくるレシピ。詳しくはリンク元で。

Klingon Raktajino: 7 Steps - Instructables より翻訳。スパイスをコーヒーに混ぜてドリップ後、砂糖とミルクを加える。

 

オリジナルレシピを考える

ここまで書いてきた作中描写や先行レシピを見たうえで、自分好みのレシピを考えてみます。まず、含まれる材料は大きく以下にまとめられる気がする: コーヒー、ミルク系、甘味料、スパイス(含カカオ)。それぞれについて考えていくね。

コーヒー

KlahやKasaraレシピでは「コーヒーベース」と呼べるほどコーヒーは含まれていないけれど、作中でカフェイン入ってるという説明があるし、カフェイン作用についての言及もあるし、非公式歴史でもコーヒーに酒入れたのが始まりだから、やっぱりコーヒーベースにしたい。

口のすぼんでるマグで飲むのは宇宙船内で飲むからこぼれにくいようにってのもあるんだろうけど、他にこういうカップの描写は無いし、かなり冷めにくい形状だから少なくとも提供時は割と低めの温度なのかなと予想。低い温度なのは抽出方法や使用器具に基づいた必要上の問題なのかもだけれど、なんとなくクリンゴン人のイメージからロースト深めの豆を使ってるんだと考えてる。『新スタートレック』では地球料理に比べてクリンゴン料理は味が濃いという描写もあったので、濃い味のコーヒーなのは確かかと。

豆の種類についてはマンダリン(マンデリン)が好きだしナッツ風味も強いから推したいんだけど、もったいないからベトナムコーヒーで妥協するか、と思った。いれかたはフレンチプレスで。あのベトナム製の抽出器なぜかうまく使えないしあそこまで温度下げたくない。クリンゴンのイメージではトルココーヒー系の方が合いそうだけど美味しいと思ったこと無いし、エスプレッソマシーンは持ってないから選択肢に無し。って、あれ、インスタントでやる話だったじゃん、じゃあ全部無視で濃いめのインスタント←おい

ミルク系

Klahレシピではミルクを入れていないけれど作中描写より入れるべきと見ていいと思う。クリンゴン人がミルク飲んでるイメージ無いのはひっかかるけど、プルーンジュース飲んでるやついるし、それに連邦で再現したものだから入っててもいいよね。練乳や粉等を使うかについては、うちに大抵あるのは牛乳か豆乳だけという理由で普通の牛乳にする。豆乳カフェオレはあまり好きじゃないしクリンゴンらしくないのでやめとく。ミルク量は比較的多いレシピをよく見る気もするけれど、スパイスの種類と調節しながらあとは好みかなあ。多めと少なめの二種類考えても良いかも。

甘味料

作中描写から多少の甘みがあるのだとは思う。「クリンゴン人は甘党」っていうファン説もあるんだけど、さすがにゲロ甘では無いんじゃないかな。砂糖のほかに蜂蜜や練乳も少し考えたけれど練乳は手元に無いし、コーヒーメインの味ならあまり蜂蜜は好みじゃないので。ただ、ナッツ系の味付きシロップで原作再現を試みても良いのかもしれない。

スパイス

ココア・チョコレート

個人的にモカジャバ系は興味がないし、ココアもチョコレートもあまり買わないので抜きたい。ので、以下ココアが入らない理由をこじつけてやる。作中マカパ・パンをつけるとミントの泡が出てくるという描写があるけれど、あのときの父シスコの反応から見てラクタジーノはミントと合いやすそうな味では無い、チョコなら当たり前すぎる。また、チョコレートドリンクならディアナ・トロイが好みそうなのにそんな描写はない。ので、入れない。これでおっけーb

クローブ、シナモン、ナツメグ

いつもオールスパイスクローブ、シナモン、ナツメグで代用してるので今回もそうします、だってスパイス集めるの高いんだもん。というわけで「オールスパイス=シナモン+ナツメグ+クローブ」とみなす。クローブ、シナモン、ナツメグどれもコーヒーに合うし、入れてみようかな。少なくとも全レシピに入っているシナモンは必須だと思う。

その他スパイス

コーヒーに入れるスパイスとしてはカルダモンが人気なので、これも考えてる。あと、『デスソース健康法を真面目に考える』なんて記事を書いちゃうくらい唐辛子好きなので、唐辛子も入れたい。今手元にある唐辛子パウダーのうち、ハバネロの匂いが案外合いそう。カイエンは少し合わなかったし、祇園で買った一味「はた源 最強」も何故かうどんを思い出してしまって少し違かった(この一味自体はめちゃくちゃ美味しい)。当初はこれに重点を置いた記事にするつもりだったのだけども、辛みを加える変形はラクタジーノレシピではよくあるらしいので却下された、かなちい。

ここまでのまとめ
  • コーヒー:インスタントなら濃いめで。豆ならフルシティローストのマンダリンかベトナムコーヒーに使うやつ、フレンチプレスで。
  • ミルク:普通の牛乳。量はスパイスと調節しながら。
  • 甘味料:砂糖またはナッツ系シロップ。量はあとで。
  • スパイス:シナモンは絶対。クローブナツメグハバネロ、カルダモンも調節しながら。

 

S'Zon家スタイル・ラクタジーノのレシピ

お待たせしました。というわけで、生存者ちゃんのラクタジーノ・レシピをここに書きます。色々試した結果二種類できた。S'Zonって名前はクリンゴンぽくないけど、いいの。

House of S'Zon Style Raktajino <White>

  • インスタントコーヒー...基準量2倍または大匙1
  • 湯..10mL
  • シナモン、カルダモン...各2振り
  • クローブナツメグハバネロ...各1振り
  • 牛乳...150mL程度

(ホットの場合)温めたマグにインスタントコーヒーの粉と砂糖を入れる。これにお湯10mLを攪拌しながら加える。全て溶けたことを確認した後、各スパイスを加えて軽く攪拌。香りが立ってきたらマグカップ8分目ほどまで温めた牛乳を注いで、再度ステア。完成。

午後にリラックスしながらオドーと飲むイメージで。蜂蜜でやったら鬱陶しい味になったので白砂糖で。ハバネロは苦手なら抜いても可、その場合は甘めにすると美味しいです。デスソースでやったら普通にまずかった。牛乳はホットでもコールドでも美味しかったけど、個人的にはゴクゴクと飲めるコールドが好き。コールドにするときはマグを温める必要は無いけど、最初のお湯が冷めて粉類が溶けにくいので、お湯は20mL程度に増やしてあげた方がいいです。

House of S'Zon Style Raktajino <Dark>

  • インスタントコーヒー...基準量4倍または大匙2
  • 湯..160mL
  • 牛乳...少々
  • ヘーゼルナッツシロップ(無い場合は普通のシロップ)...好みで
  • シナモン、クローブナツメグ...各2振り
  • ハバネロ...1振り
  • マイヤーズラム...お好みで

(ホットの場合)温めたマグにインスタントコーヒーを入れる。攪拌しながらお湯10mLを加える。コーヒーが溶けたことを確認した後、マグカップ8分目までお湯を注いで再度ステア。牛乳とヘーゼルナッツシロップを加えた後、各スパイスを振り入れて軽く混ぜる。仕上げにマイヤーズラムを少し垂らして完成。

Raktajを再現する方向で考えた。最初に少量のお湯で攪拌するのは特に意味があるのか知らないけれど昔カフェ&バーで働いてたときに教えて貰った方法。甘めにする場合はシロップ増やすより砂糖を加えることを考えた方が良いかも、ヘーゼルシロップは多すぎると鬱陶しい。シロップ入れた後のステアは軽めにすると、飲むにつれて甘くなって楽しいです。アイスにする場合はお湯を加える段階で砂糖を加えて甘めにし、入れる牛乳も多めにした方が良かった。ついでにマイヤーズも少し多めがいいけれど、入れすぎると匂いも味も鬱陶しくなる。熱でアルコール揮発するから実質ノンアルコールレシピです←

 

最後のまとめ

数多くあるラクタジーノ再現レシピ。うちのレシピのどこに新規性があるのかわからないしマジでIts 6000-letter mission: To boldly go where every man has gone beforeって感じの記事なんだけど、日本語のページがあまりないので紹介がてら良いかなって。再現系レシピはゆるいテーマがありながら、好き勝手できて楽しかった。

スタートレック』の(リブート版)映画は色々思うことあったけど、ドラマ版はめっちゃ面白いからおすすめ。個人的にはやっぱり『新スタートレック』が好きだけど『DS9』もやろうとしたことは面白いと思ってる、Garekもかわいいし。あと、コーヒー飲み過ぎて気分悪くなった。

ってなわけで、これでジャッジアをデートに誘えるね!S'Zon家スタイルのラクタジーノ、ぜひ試してみて!!それではQapla’!