バーからのかえりみち

中学時代に通っていた塾は、激安ソープランドとボロいラブホテルの間にあった。一本向こうの道にはキャバクラとスナックが乱立していた。ソープランドの隣には、黄色のポップ体で「絶倫!精力剤!」と書かれた薬局があった。気恥ずかしさを覚え、その狭い駐車場にあるDyDoの自販機は安いにもかかわらず絶対に使わなかった。

 

高校時代も同じ塾だった。ちょっと大人になった僕たちは、積極的にその立地をネタにした。「ソープに入っていく人を見た」と言っては、何が面白いのかよくわからないまま皆笑った。キラキラと安っぽいネオン看板に奇妙な憧れを抱きつつ、じっと見てはいけないと思った。「安いよ、遊ばない?」とカタコトの日本語で言うフィリピン人の女に、何故か全身がむず痒くなった。

 

今日。ホスクラの看板を目印に、手元のグーグルマップと照らし合わせて祇園を歩く。タクシーから降りラブホに入っていくカップルに道を譲った。泥酔したおっさん3人が僕にぶつかりながらキャバクラに入っていった。黒いベンツに乗りこもうとする嬢が残していった、ありふれた匂いの香水を嗅いだ。

 

駅前の喫煙所から見えた塾の帰りらしい高校生二人に、ほろ酔いの自分は罪悪感をおぼえました。