21gのとしょかん

ながいながい遺書

マウスが羨ましい

今日届いたネズミは明日子供を生みます

明日は生まれた子供に注射して、再来週頚椎脱臼して眼球を回収します。

その結果は後々何かになるかもしれません

ならないかもしれませんが実験ノートには記録しました

 

二十数年前に生まれた自分は、未だに存在する意味も理由もありません

面倒な理論に縛られたせいで、今日も死ねずにタバコを吸います

その生はきっと何にもなりません

絶対に誰の脳にも記録されません

 

正直なところ、マウスは羨ましいです

生まれる前から死んだあとまで、その生命には目的があって。

自分が注射される時も、妹が殺される時も、何も感じることすらしなくてよくて。

そしてその一生は「実験結果」として永遠に残されて

 

苦楽を感じぬ無垢な瞳で、ネズミは今日も元気に水を飲みます

死んだ目でコーヒーを飲む僕に、マウス室のおじさんからまたメールが来ました

 

「飲用水ボトルが空になっています、補充してください」

「対応しました。追伸:助けてください」