21gのとしょかん

これは,死に逝くぼくの,21gの記録

『君主論』メモ <2>

2. では、マキャベリは彼の考える君主の最も重要な仕事『軍事』について述べます。4.で述べられるように、彼が考えるイタリア滅亡の最大の原因は傭兵の使用です。短いですが、割と例が多いので、読んでいて面白いです。

<目次>, <PART 1>, <PART 2>, <PART 3>, <PART 4>, <感想/解釈>


2. 軍隊について (X, XII-XIV)

君主国の維持には一般に、よい法律と武力の両方が必要であり、逆に一方なくして他方は生まれない。武力は最大の職務は国の保持だけでなく、自身の地位の保持を守る手段となる。


(i) 戦力の評価 (X)

君主国の戦力は下記のいずれであるかで推し量れる:

  • (イ) 適切な戦力を持ち、いかなる侵略者に対しても野戦をおこなえる国
  • (ロ) 野戦をおこなえず、城塞で侵略者を迎え撃つ国

後者の場合、城塞を強化し、民衆の恨みや蔑みを避け、食料等の備えを十分にしておく必要がある。このことにより、占拠が困難であると目に見えてわかるため侵略を避けやすく、また仮に攻められても相手が包囲を解かざるを得なくなるまで防衛を続けられる。野戦は避ける。

Q. 野戦を避けた場合、例えば城外に財産のある市民の反乱の恐れがあるのでは。
A. 臣下に希望を与え、その心をつかみ続けることは難しくない。また、城外の村落等の破壊は侵略の初期に行われるが、このころはまだ市民に士気がある。その後、戦いが続き士気が落ちたとしても、市民は君主を守るために全財産を失ったのだから、君主の恩義を得られている、と考えがちである。


(ii) 戦力の種類 (XII, XIII)

君主国がもちうる戦力は以下の4つのものがある:

  • a) 自国軍
  • b) 傭兵軍
  • c) 外国支援軍
  • d) 混成軍
a) 自国軍

持つべきである。自国軍は自身の庇護する者たちの軍であるからであり、十分に彼らを掌握しているからである。逆に自国軍以外の武力はfortunaに大きく依存することになる

b) 傭兵

望ましくない。傭兵は、君主への恩義ではなく、金のためにのみ戦場にいる。このため、いざとなったらすぐに逃げ出してしまう。また、勇敢なものは逆に命令に背いたり地位や名誉を求めたりする恐れもある。事実、イタリアが現在屈辱の地と化した一因には、傭兵たちが歩兵を縮小させ、また危険や労苦を避けるため夜襲をしないなどの独自のルールを作ったからである。

Q. ヴェネツィアフィレンツェのような傭兵をつかった成功例もあるのはなぜか
A. フィレンツェの場合、ただ運がよかったに過ぎない。ヴェネツィアでは、結果的にカルマニョーラ(傭兵隊長)を暗殺せざるを得なくなったり一部の土地を失ったりという不幸にあった。

c) 外国支援軍

望ましくない。外国支援軍は傭兵よりもさらに危険である。彼らは他国の君主に忠誠を誓っている団結した集団であるため、君主を脅かす恐れがある。

d) 混成軍

望ましくない。混成軍とは傭兵軍または外国軍と、自国軍の混成部隊である。純然たる傭兵軍や外国軍に比べてはましではあるが、自国軍には大きく劣る。


(iii) 君主のおこなうべき訓練について (IV)

君主は軍事制度や訓練に最も関心を注ぐべきである。特に、君主の武力が臣下より劣る場合、臣下に見くびられる要因となり、また君主も臣下を信用できなくなる。

平時から十分に訓練をおこなうことによって、fortunaが変化しても、耐えられる。平時に行うべき軍事訓練は肉体的なものと、頭を使うものがある。肉体的なものは、兵士の訓練以外に以下のようなものがある:

  • 狩猟等を通して困苦に慣れる
  • 自国の地形の理解
  • 地形一般の特性の理解

特に、地形を知ることによって、実戦で有利な布陣をしくことができる。頭を使うもの、について、君主は歴史書を通して過去の英傑の行いを学ぶべきである。


0. 『君主論』メモ 目次

1. 様々な種類の君主国と、それぞれの特色 (I - IX, XI)

2. 軍隊について (X, XII-XIV)

3. 君主の民衆に対する態度について (XV - XXIII)

4. 結論/イタリアについて (XXIV - XXVI)

5. 感想/解釈/調べたこと

誤り等ありましたら、しい@sk_16gにお願いします。

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