21gのとしょかん

これは,死に逝くぼくの,21gの記録

いつまでもこどものままで

いつまでも子供のままでいたかったのに,気づけば体だけはもう随分老いていた。まわりの知り合いは子供を創造すらしてるのに,自分はまだ大人にすらなれず。もうモラトリアムなんか盾にしてなんかいられないのに,そろそろ勝訴しなきゃ,そう思いながら108円の似非ビールを飲む。焦りすらないことに焦るべきなのだろうなと思いつつ,やっぱり焦りなんてどこにもない。ただ取り残されていく自分を,「特別だから」だの「病気だから」だのと正当化し,無為に流れゆく日々を眺めている。

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文芸部だった頃は

文芸部だった頃は,詩や小説らしきものを書くのが好きだった。別に文章が大して上手いとは思ってなかった。むしろ下手なのは分かっていた。それでも,書くのが好きだった。評価なんてどうでもよく,ただダージャー気取りで好き勝手ノートに書いてた。少なくとも,当時はそう思っていた。

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「うち」と「ぼく」と「わたし」と「あたし」

この前,自分の一人称を以てして,「同性愛者なのか」と知り合いに聞かれた。ジェンダー性的指向の区別がついていないことについては今はおいておくとして,自分の性に押しつけられたジェンダーロールには違和感があるし,特に性別を表に出さなくてよい場合には出さないようにしたいとは思ってるけど,別にTS/TGでもXでもないし,そう自称するつもりもない。

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映画『美女と野獣 (2017)』(ディズニー実写版)感想

ハーマイオニーとCGおばけ』,じゃなくて,『美女と野獣』リメイク/実写版を,いちゃつくカップルに挟まれながら一人で見てきたので,感想を書こうと思う。まとめると『原作(91年版)を見てる人が見に行ったら,ちょっと不満だけど8割満足』ってなるような映画でした。ネタバレ少しするけど,1991年のディズニーアニメーションの方を見てたらストーリーは知ってるだろうし,そもそも見てないのなら今すぐツタヤに走ろーね。 続きを読む

頸椎脱臼されたマウスと,自殺した知り合いについて。

研究室に配属されて初めてねずみを殺したときは,吐気が止まらなかった。半分しか頚椎が抜けなかったねずみは,左半身を硬直させ,苦しそうにケージを引っ掻こうとしていた。焦る先輩に教えてもらいながら慌てて脱臼させなおすと、弱々しい痙攣の後動かなくなった。その死体から,真っ黒に輝く眼球をピンセットでえぐり取った。白い糸のように伸びた視神経を見つめながら,昔聴いた怪談を思い出した。その不快感は、本屋で初めて万引きしたときに感じた寒気にそっくりだった。居心地の悪さに耐えきれず,隣で同様にためらいながらねずみを押さえる友達を「なにびびってんの?」なんて馬鹿にした。ピンク色の舌を出したまま動かないねずみをみつめながら,ちょっと前に首をくくった知り合いの死に際もこんな感じだったのだろうか,と右手の震えを隠しながら考えた。

あれから数ヶ月たった。

今日眼球を回収したときには,何も感じない自分がいた。マウスの首を押さえて尾を引っ張り(同時に頭を前に押すのがコツ),脱糞し痙攣してるのを傍目に先輩と雑談して絶命を待ち,眼球を回収の後,血がにじみ出る「マウスだったもの」をコンビニ袋に放り込んでいた。

動物実験がどうしても必要な研究をしているので,マウスを頸椎脱臼で安楽死させることが少なくない。だから毎回怖がっていては実験も進まないし,馴れもある程度必要なのも分かってる。 でも,いざ馴れてみると今度はその馴れそのものが怖くなった。 続きを読む

2.5秒の栄光

あらゆる動物の世界は「弱肉強食」の四文字に支配されていて,それはきっとヒトもおんなじで,だから弱肉たる自分はわれ殺される運命にあるわけで。

ピラミッドの頂点にいつかかたどり着くんだ,周りをきっと喰い殺してやるんだと思っていても,シマウマは所詮ライオンには勝てないし,ウサギはタカを殺せない。

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